一種換気と三種換気だと、
やっぱ高性能な一種換気がいいんでしょ?
一種換気信仰ってありますよね。
私の意見ですが、
換気は省エネ性能だけで選んじゃダメです。
換気選びは一種換気でも三種換気でもお金的な違いは大きくありません。
もう結論言ってしまったので、
目次見て閉じてもいいかもしれません。笑
でも気をつけてください。
大事なのは「どんな生活がしたいから何を選ぶか」です。
この記事を読むことで、
あなたに合った換気計画がなにか判断する材料とすることができます。
換気って小難しいですが、
小難しい解説はしていませんのでご安心を!
その前に窓は選びましたか?
あたたかさや性能で換気を選ぶ前にの性能にぜひこだわってください。
住宅に出入りする熱の半分は窓からです。
新築住宅で使われる換気の種類と特徴
カンタンに換気の基本知識から確認しましょう。
新築住宅で採用される換気は以下のようなものがあります。
種類 | 特徴 | コスト | 暖房効率 | メリット | デメリット |
一種換気 | 給気:機械 排気:機械 | 高 三種が標準の場合 ➡40万円前後 | 良 | 熱交換による暖房負荷の軽減 乾燥しにくい | 維持費がかかる 汚れや外気温で性能が落ちる |
三種換気 | 給気:自然 排気:機械 | 安 | 悪 | 設置・維持費の安さ 管理のしやすさ | 計画次第では寒さを感じやすい |
他にも二種換気・四種換気と呼ばれるものがありますが、基本はこの二種類。
大手ハウスメーカーなど性能を強く打ち出しているところは一種換気が多いです。
逆にローコストのメーカーでは三種を使っています。
換気ってプロでもなかなか難しいんですよね。
換気は省エネ性能で選んではいけない?
一種換気システムで元をとるのはとてもむずかしいです。
というのも、一種換気の導入のコストだけではなく
- レンジフードの同時給排タイプへの変更。
- 熱交換素子・フィルター・モーターの交換などの維持費。
- ローンの金利分の費用
などもかかるためほとんどの地域で元が取りにくいです。
根拠が気になる方は下記の資料を参考にしてみてください。
➡合計:102万円/30年
ようするに三種換気から一種換気に変えたときに、
「約3.5万円光熱費が節約できないと元はとれない」
ということ。
私は北海道でも札幌より寒さの厳しい地域に住んでますが、
札幌での年間支出金額差6万円は少し大きすぎるように感じます。
私の肌感覚ですが、節約効果はせいぜい2~3万円です。
加えて、北海道では内外温度差が40℃に達することがあるため、本体内での結露や凍結などで劣化への影響は大きいです。
そんなことをいろいろ考えていると、
3種換気と1種換気はそんなに変わらないのかなって思います。
そのため「換気は性能で選ぶべきではない」、かと個人的に考えています。
次で詳しく解説しますね。
悩み・理想別のオススメ換気方法
性能で選んでもそれほどメリットがない…
それであれば換気は悩みや理想で選ぶべきじゃないかと考えます。
三種換気がオススメな場合
途中の出費を多くしたくない
途中の出費をあまり多くしたくない場合は三種換気が良いです。
前述したとおり、一種換気はメンテナンスにかかる費用が高いです。
対して三種換気は維持費を抑えやすいです。
※キッチンレンジフードの費用は差額のみ1種換気に上乗せして計算
将来的なお金の不安がある方は三種換気が考えやすくておすすめです。
途中の出費は精神的に辛いですよね。
掃除が苦手
掃除が苦手な場合は三種換気の方がいいです。
理由は一種換気の性能はきれいな状態じゃないと発揮できないからです。
Panasonicの場合、
以上の掃除が推奨されています。
正直、こまめに掃除できる方はごく一部のように思います。
(私が掃除できないのもあります。)
三種換気も掃除は必要ですが、暖房効率にほぼ影響はありません。
掃除に自信がない方は三種換気を選んでみてくださいね。
一種換気がオススメな場合
室内に虫を入れたくない
室内に虫を入れたくない方は一種換気をおすすめします。
注:100%入らないわけではありません。
三種換気の場合、小さい虫はフィルターを通過して侵入する可能性があります。私が設計したお家でもそうでした。
目の細かい防虫フィルターや防虫フードなどもありますが、詰まるのが早くなり掃除の頻度が上がってしまいます。
そこで「サイクロン給気フード」を選ぶことで、
などのメリットがあります。
虫超苦手!
という方には換気で虫が入り込む可能性が少ないのでおすすめです。
乾燥を抑えたい
乾燥が気になる方は一種換気がおすすめです。
一種換気には2つの種類があり、
にわかれています。
全熱式を選べば、
他の換気方式と比べ乾燥しにくい空気環境を作りやすいです。
ただし、湿気と一緒にニオイも室内に戻してしまう可能性があります。
商品や構造によって変わる可能性があるので、
このデメリットがあるか確認してから決めたいですね。
おそらくメーカーに聞いても
ニオイはしないって言われる気がします。
外観をスッキリ見せたい
外観をきれいに見せたい、外部のフードを少なくしたい場合は一種換気がおすすめです。
三種換気の場合、給気を各部屋外壁面につける必要があります。
そのため、ファサード面に外部フードがついて格好がつかないことがあるんです。
そこで一種換気の出番。
一種換気の熱交換型の場合、排気も給気も集中しているため外部のフードが少ないためスッキリ見せやすいです。
デザインなどにこだわりがある方はぜひ一種換気を検討してみてください。
三種換気も計画次第なので、
うまくいかないときの検討でOKです。
新築住宅で気をつけるべき換気計画のポイント
ここまでであなたにあった換気がどれかなんとなく掴めてきたのではないでしょうか?
次は決まった「換気で気をつけたい計画のポイント」について解説していきます。
給気口の位置
換気の給気口は人に冷気が落ちにくい位置に設置した方が良いです。
特に三種換気は、寒い冬になると温度差で換気量が上がります。
もし換気量を少なく調整したとしてもです。
外部からの冷気が人に当たると温かくても寒く感じやすいので、
などに換気の位置に気をつけると良いです。
最後の一つは日射により日陰面よりも熱的温度差がちょーっとだけ少ないためです。
これで劇的な差はでませんが、チリもつもればです。
細かい部分で気をつけていきましょう!
ハウスメーカーによっての得意・不得意
換気の種類によってハウスメーカーが不得意な可能性があります。
理由は2つ。
換気にあった構造はすごく大事です。
今までの換気だとうまくいってたことができなくなることも考えられます。
建築事務所では無い限り、よく使用されるものでお願いするのが無難のように思います。
モデルハウスで実験したことがうまくいかなかったことがあります。
ちょっと怖いなーっていうのが本心です。
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