ガスとIHってどっちがいいのかしら?
こだわりがないから安い方にしたいわ!
今回はガスとIHはどちらがお得か、それぞれの違いについて解説していきます。
皆さんはIHコンロとガスコンロどっち派ですか?
プロの方々やネット上の意見では好きな方を選べばいいという意見が多いですよね。
恥ずかしながら私も大差ないと教えられてきたので、お客様が料理にこだわるか、掃除の楽さを重視するかでご提案をしてきました。
でも、厳密に考えると光熱費の単価も違うし、熱効率だって違うので差はあるはずですよね?
今回はプロの人たち(私含め)も曖昧にしてきたガスコンロとIHコンロでどっちがお得かの根拠をお伝えしていきたいと思います。
お家のお金に心配を抱えている方々のお役に少しでも立てると嬉しいです。
それではいきましょう!
IHコンロvsガスコンロ:お金の比較
IHとガスではどちらが光熱費を安くできるかを計算していきましょう。
単純な比較の場合、都市ガスの光熱費が安い。
水10Lを10℃から100℃に熱するためにかかる光熱費を全国平均単価から計算しました。
基本料金は含めずに単価のみの条件で計算しています。
詳しい計算式を確認したい方は下記の+をクリックしてください。
A:水10LをIHコンロで10℃から100℃まで上げるのに必要な熱量
= (90℃ × 10L) ÷ 熱効率80% = 1,125kcal
B:電気の使用量
= A1,125kcal ÷ 熱量860kcal/kWh = 1.308…kWh
C:実際の電気料金
= B1.308…kWh × 27.81円/kWh ≒ 37円
※電気料金単価:新電力ネット/電力市場データ一式 2021年10月全国平均
A:水10Lをガスコンロで10℃から100℃まで上げるのに必要な熱量
= (100℃ - 10℃) × 10L ÷ 熱効率50% = 1,800kcal
B:都市ガスの使用量
= A1,800kcal ÷ 都市ガスの熱量11,000kcal/㎥ = 0.1636…㎥
C:実際の都市ガス料金
= B0.1636…㎥ × 174.76円/㎥ ≒ 29円
※都市ガス単価:新電力ネット/ガス市場データ一式 2021年10月全国平均
A:水10Lをガスコンロで10℃から100℃まで上げるのに必要な熱量
= (100℃ - 10℃) × 10L ÷ 熱効率50% = 1,800kcal
B:LPガスの使用量
= A1,800kcal ÷ LPガスの熱量24,000kcal/㎥ = 0.075㎥
C:実際のLPガス料金
= B0.075㎥ × 693円/㎥ ≒ 49円
※LPガス単価:新電力ネット/ガス市場データ一式 2021年10月全国平均
都市ガス、電気、LPガスの順位で安くなりそうですね。
都市ガスは決められたエリア内じゃないと使えないので、エリア内の場合は都市ガス。
エリア外の場合は電気を加熱機器として採用できると光熱費が抑えられそうですね。
単純計算すると1年間同じことを繰り返すとでできる差は3,000~4,000円ということになります。
毎日10Lお湯沸かすことはないかもしれませんが。笑
コンロは都市ガスエリア内なら都市ガス、エリア外なら電気が光熱費が抑えられる。
料金プランでちょっと差がでる。
ここでは採用ケース別に変わる料金などについて比較してみます。
プランは電気もガスも住宅に入れる暖房や給湯の種類などによって変わります。
取り入れようと思っている暖房・給湯設備と合わせて検討することで、お得な計画の道筋が見えてくるかもしれません。
条件は先ほどと同様、水10Lを10℃から100℃へ上げるための光熱費として計算します。
あくまで単価のみの計算で基本料金や調整費などは計算に含みません。
先に結論をお伝えします。
「給暖セントラル都市ガス・オール電化・給暖FF都市ガス・給暖LP場合ガス・どれか都市ガス」の順番で光熱費が安い。
暖房・給湯・コンロと熱源をそろえた方がお得。
※各地域の単価設定により変わる可能性もあります。
結論の根拠や実際の料金プランなどを知りたい方はこの先もご覧になってみてください!
電気の料金体系:北海道電力
電気料金の計算式は以下のようになります。
電気料金 = 基本料金 + (単価 × 使用量) ± (燃料費調整単価※ × 使用量) + (賦課金単価※ × 使用量)
電気は北海道電力の料金を参考に確認していきます。
※燃料費調整単価、賦課金単価は計算には含めません。
料金プラン | 1kWh | 10Lを100℃まで熱する光熱費 |
オール電化の場合 | 日中27円05銭 夜間・日祝17円63銭 | 36円 24円 |
オール電化以外の場合 | ~120kWh 23円97銭 ~280kWh 30円26銭 280kWh~ 33円98銭 | 32円 40円 45円 |
夜間電力やポイント制度、一部定額など様々なパターンがあります。
大きく分けるとオール電化かそうじゃないかでいいと思います。
プラン以外でも使う時間帯やタイミングによっても金額は変わりそうですね。
都市ガスの料金体系:北海道ガス
都市ガス料金の計算式は以下のようになります。
都市ガス料金 = 基本料金 + 調整単位料金 × 使用量
都市ガスは北海道ガスの料金を参考に確認していきます。
料金プラン | 0~15㎥、2月検針分 | 10Lを100℃まで熱する光熱費 |
セントラル暖房・給湯を 採用している場合 | 131.14円/㎥ | 22円 |
FF暖房・給湯を 採用している場合 | 189.88円/㎥ | 32円 |
調理機器・給湯・暖房 どれかを採用している場合 | 206.97円/㎥ | 34円 |
使用する量によっても変わりますが、高くてもこの金額です。
とても魅力的ですね。
LPガスの料金体系:エアーウォーター北海道㈱
LPガス料金の計算式は以下のようになります。
LPガス料金 = 基本料金 + 従量料金 + 原料調整※ - 割引
LPガスではエアーウォーター北海道㈱での料金表を参考に見ていきます。
エアーウォーターの場合、料金プランはなく採用内容によって割引される形になります。
※原料調整は計算には含めません。
料金プラン | 0~15㎥のときの 従量料金 | 10Lを100℃まで熱する光熱費 |
従量料金 | 863.50円/㎥ | 65円 |
給湯を使っている場合 5.1㎥以上から20%割引 | 690.8円/㎥ | 52円 |
暖房を使っている場合 5.1㎥以上から30%割引 | 604.45円/㎥ | 46円 |
給湯・暖房を使っている場合 5.1㎥以上から50%割引 | 431.75円/㎥ | 33円 |
このプラン以外にも長く使うごとに割引が最大10%までつくものもあります。
20年以上使っていれば都市ガスに限りなく近づけることも可能になってきます。
20年は少し気が遠くなりそうですが・・・。笑
でも採用する場合、電気ではない限り長く使う可能性もあると思うので、十分検討できそうですね。
給湯・暖房の両方を採用するのであれば、電気料金と比べても大差ない金額までいくようです。
本体価格はIHコンロの方が高い。
コンロ | 価格帯 |
IH | 158,000~41,000円 |
ガス | 83,000~39,100円 |
LIXILのアレスタという商品のカタログから数字を拾わせてもらいました。
ピンきりなので何を選ぶかにもよりますが、さらっと見てみると全体的にIHの方が価格は高いです。
こだわりはない方はガスコンロを選んだほうがコストを抑えられる可能性は高そうです。
光熱費だけじゃなく、本体価格もガスコンロの方が安い。
IHコンロvsガスコンロ:その他の項目の比較
ここから先はネットでよく聞く意見です。
まとめて一覧で比較しちゃいましょう!
お掃除 | 安全性 | 耐久性 | 耐用年数 | 機能性 | 調理性 | 対応器具 | 室温上昇 | 健康 | ニオイ | |
IHコンロ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | △ | △ | ◯ | ? | △ |
ガスコンロ | △ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | △ | ー | ◯ |
「IHとガスは好きな方でいい」とよく言われるのはそれぞれにメリット・デメリットがあるからです。
それぞれの項目について解説していきます。
IHコンロvsガスコンロ:お掃除
IHコンロはゴトクがついていないため、とても拭きやすいです。
ガスコンロだとゴトクやバーナーなどの突起がありますもんね。
両者とも年々お手入れ性は上がっていますが、それでもIHコンロのほうが掃除はしやすいです。
お掃除性を重視される方にオススメなのが、ガラスのフラットトッププレートです。
奥の排気口以外はすべてフラットでIHコンロの中でもお掃除性がかなり高いです。
これが普通ではありません。通常だとスイッチ部分に凹凸があります。
金額はそれなりに上がりますが、見た目のスマートさお掃除性は優れているのでお金があれば私は入れたいと思っています。
お掃除で楽したいならフラットなIHコンロ。
IHコンロvsガスコンロ:安全性
安全性は両者とも大差ありません。
前まではガスコンロの方が劣っているのが一般的でしたが、最近のものには安全装置の機能が充実しています。
リンナイのコンロを参考に見てみます。
すごい機能量ですね・・・。
国の基準はもちろん消し忘れ、地震センサー、焦げ付き消化、鍋なし検知など。
IHコンロも似たような安全機能になります。
IHもガスも安心して使えそうですね。
IHもガスも安心して使える。
IHコンロvsガスコンロ:耐久性
ガスコンロにはゴトクがついており、弱点であるトッププレートに直接衝撃がいきにくくなっています。
IHコンロの場合、鍋を落としてトップが割れてしまう相談をたまに頂くことがありました。
私もよく落とすのでわかります。笑
トッププレートにヒビが入っていると、そこから入り込んだものが原因でショートする可能性があるそうです。修理の相談窓口に依頼して直してから使用するようにしましょう。
詳しくは日立のよくあるご質問を見てみてください。。
頑丈さで考えるとガスコンロの方が優秀ですね。
頑丈さはゴトクのおかげでガスコンロが勝利。
IHコンロvsガスコンロ:耐用年数
IHもガスも基本は10年ですが、バーナーやセンサー部分の関係で耐用年数が7年とすこし幅をもたせているようです。
個体差がありますので、長くも短くもなる可能性があります。
保証期間は1~2年程度ですので、過ぎてからは基本的に有償の対応になってくると思います。
大事に扱って長く使えることを願うしかないですね。
IHコンロのほうが長く使える可能性がちょっと高い。
IHコンロvsガスコンロ:機能性
コンロには様々な機能がついています。
コンロ | 機能 | |
IH (panasonic) | 焼き物アシスト、焼き物温度調節、光・揚げ物温度調節、IH&遠赤Wフラットラクッキンググリル、凍ったままIHグリル、火力制御、はじめてガイド、光るリング、音声ガイド、こげつきお知らせ、エコナビ、換気連動、キッチンポケットアプリ、タイマー機能、カウントタイマー機能etc… | |
ガス (リンナイ) | +R RECIPIE(アプリ)、ザ・ココット、ココットプレート、イージークリーン、スモークオフ、コンロオートメニュー、火力制御、土鍋自動炊飯、コンロタイマー、麺ゆで機能、音声ガイダンス機能、グリルタイマー、換気連動etc… |
正直、どちらも大差ありませんでした。
どちらも機能がありすぎてわけがわからなくなりました。笑
昔だとIHの方がいろんな機能がついているように思ってました。
機能性で選ぶ、という場合はIHでもコンロでもグレードをどれだけ上げられるかにかかっているように感じます。
同じような機能もありますが、それぞれ独自の機能もありますので一度見てみると面白いです。
IHもガスも機能はグレード次第!
IHコンロvsガスコンロ:調理性
料理好きはガスコンロ、とよくお客様にお話することが多いです。
ガスコンロは火力に優れており、鍋を振っても火が途切れないからです。
機種は限られますが、最近ではIHでも鍋ふり対応のものもでてきているようです。
鍋を振って戻したときに素早く復起するため、鍋をふることができるそうな。
また、火の通りも違うため調理スピードや具材を入れたときの温度の下がり方など、見ているだけではわからないような部分も違うようです。
IHとガスの加熱の違いをわかりやすく書いているのが浅野産業㈱さんの記事です。
とてもわかりやすくまとめてあって勉強になりました!
ガスのほうが調理には向いているが、IHも頑張ってる。
IHコンロvsガスコンロ:対応器具
ガスは調理器具を基本的に選びませんので、解説ははぶきます。
ここで注目したいのはIHコンロです。
電気を流し加熱するため使えるものが限られます。
また、IHにはオールメタル対応というものがあり、対応する調理器具が多いものもありますので比較して見てみます。
HITACHIのIHコンロでの対応器具に関する資料です。
オールメタルの場合、ガラス・陶磁器・直火用焼鍋などはNG。
通常のものは、上の物に加えアルミ・銅・磁石がつかない多層鍋はNG。
(ネオジム磁石はアルミや銅にもくっつくようなので確認の際は注意。)
形状も注意が必要なようです。
今使っているもので対応しているのかどうかは確実に確認しておきたいですね。
IHコンロは使える器具が限られる。
IHコンロvsガスコンロ:室温上昇
IHコンロの熱効率は80%前後、ガスコンロの熱効率は50%前後です。
これは熱をどれぐらい無駄にせず、対象に熱を伝えられているかです。
IHコンロを使ったことがある人はわかるかと思いますが、暑さを感じにくいと思います。
これは熱を効率的に伝えているため、周囲に熱が逃げていない証拠です。
ガスコンロは夏に使うの少し嫌じゃありませんか?
ガスは熱効率が50%なので、残りの半分は空気中に熱が逃げています。
冷房を考えるとちょっとためらいますよね。
冷房負荷を考えると、IHコンロの方が有利。
IHコンロvsガスコンロ:健康
ここでははっきりとしたことはお伝えしませんが、IHコンロからでる電磁界が健康に与える影響が話題になったことがあります。
もう既に生活の一部になる電子レンジやIHコンロですので私は気にしていません。
むしろ無いと困りますからね。
ただ、知った上で使うということも大事だと思います。
電磁界情報センターでは電磁界に関する情報発信をしています。
詳しく知りたい方はご覧になってみてください。
採用するものがどんなものか、調べてみましょう。
IHコンロvsガスコンロ:ニオイ
ガスコンロの方がニオイが広がりにくいです。
IHとガスでは熱の上がり方に違いがでます。
ガスコンロは熱効率が50%で、残りの熱が空気中へ出ます。
上へいく残りの熱が外へニオイを逃がしにくくなっているんですね。
IHはムラなく効率よく熱することができる分、上昇気流が弱くニオイが広がりやすいんです。
ニオイが出るときはどちらも出てしまいますが、LDKで1つの空間にまとまっている場合はガスの方がいいかもしれませんね。
ニオイを気にするなら上昇気流が強いガスコンロが有利。
こんなコンロもあるの!?試してみたい注目商品。
住宅が進化してきたようにコンロも進化し新しいものがでてきています。
今回は高いけど私が好きなものを、趣味でご紹介していきたいと思います。笑
IHとガスのハイブリットコンロ
クリナップのセントロという商品で採用できるハイブリットコンロ「Dual Chef」です。
IH2口、ガス1口で両方使えるのが最大の特徴です。
グリル無しの商品で、付属品のプレートを活用してIHの方で魚を焼くことが可能です。
なにより、私が一番注目したいのはコンロ下が収納になっていることです。
通常だとグリルがつくため収納はないことが多いですが、調味料や調理器具をよりたくさんしまえる超魅力的な商品です。
これなら食洗機がついていても収納スペースに困ることはないかもしれませんね。
コンロは高額ですが、組み合わせることで食洗器のデメリットを補える良いコンビになりそうです。
食洗器の記事も良ければ見てくださいね。
キッチンを超えたキッチン「いろりダイニング」
もはやキッチンじゃない。panasonicの「いろりダイニング」です。
コンロ部分を囲炉裏のように囲んで使えるようになっており、操作パネルも調理スペースもシンクも両側から使えるようになっている素敵な商品です。
コンロの排気口もトップにはなく、足元からでる作りになっています。
光熱費や導入価格、ニオイなど一部を除いて最高の商品だと、勝手に思っています。
私は将来、もしお金持ちになれたらこのいろりダイニングを採用するのが夢です。
ショールームに行った際はぜひ皆さんも夢を見てみてください。
まとめ
- 光熱費・導入価格を考えるとコスト重視はガスコンロ!
- でもお掃除性などIHならではのメリットは強い!
今回はコンロのお話でした。
お金のお話重視のメディアとしてはガスコンロがおすすめという結論になります。
ですが、IHも見過ごせない強いメリットがありますので、ご自身の要望と照らし合わせて検討してみてください。
オプションなどでどうしても入れたいものが入れられない場合はその他の項目でコストダウンを図ってみてください。
わかる範囲のコストダウン方法を詰め込んだ記事がありますので、役立てていただけると嬉しいです。
ここまでご視聴いただきありがとうございました。
また次の記事もお家づくりにぜひ役立ててください。
それではまた!
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