キッチンに食洗機って必要?メリットあるの?
この記事ではキッチンのオプションについて解説していきます。
住宅営業を5年間経験し、水回り設備の仕様決めにもたくさん立ち会ってきました。
その中で一番提案できなかったものが、食洗機です。
私は食洗機を普段使っているわけではないため、ご提案はいつも悩みました。
検討しようとしている方も使うイメージができないという人は多いかと思います。
でも、そんな方は注意してください。
採用して「使わなかった」「なくてもよかった」が一番良くないです。
水回り設備は利用するときの感覚はとても大事です。
判断するための情報を集めて、ショールームで実際の感覚をつかんでいただくのが一番です。
今回はそのための必要な材料を私なりにまとめました。
水回りオプション食洗機編です。
それでは見ていきましょう!
新築で入れる食洗機はコスト的に必ずしもお得ではない。
最初から核心部分ですが、食洗機はコスト面で必ずしもお得になるわけではありません。
儲けるためのものではないので当然なのですが・・・。
お得になるかどうかは、商品選びとメンテナンスや修理の頻度によって変わってきます。
あくまで食洗機のメリットはコストではないということです。
お得だから取り入れよう・・・と考えている方はここから先の根拠を見ていただければと思います。
新築でビルトイン食洗機の設置コストは15万~25万円
キッチンや食洗機自体の商品にもよりますが、ビルトインの食洗機の設置には15万~25万円ほどかかります。
一部の収納スペースを食洗機に置き換えるので、収納ユニットとの差額がオプション金額になります。
海外メーカーのミーレやボッシュなどは40~60万円ぐらいする上に、純正品としてラインナップにあるわけではないので、保証がつかなくなったり扉のデザインが統一されないこともあったりします。
食洗機の種類や特徴についてはまた別の項目で見ていきますね。
今回お得かどうかをシュミレーションするにあたってPanasonicさんの食洗機NP-45MD9Wを使わせていただきます。カタログ内でも本体価格に対して節約できる金額が大きい方です。
カタログを載せておきますね。
希望小売価格が224,400円です。
実際のオプションの金額はだいたい170,000円ぐらいになると思います。
(工務店・商品によって割合は変わります。)
170,000円を借入したとすると月々528円、総支払額は221,970円です。
(借入期間35年、完全固定1.6%の場合)
だいたい希望小売価格と同じぐらいですね。
見ていくポイントは総支払額221,970円と同じぐらい光熱費や水道代などの節約ができるかどうかです。
食洗機の導入には20万円ぐらいかかる。
新築で食洗機を導入して節約できるのは年間約2万円
食洗機は無駄な電気や水を使わず効率的に食器を洗うことができます。
手洗いと比べると使う電気代や水道代を減らすことができるようです。
参考にできる数字が2つあります。
1つは無理のない省エネ節約(経済産業省 省エネルギー庁)では食洗機を導入することで、手洗いと比べ年間8,570円の節約をすることができるとシミュレーションしています。
一般的な数字よりも節約できる金額が厳し目のような気もします。
据え置き型の場合、明確なシミュレーションがのっていなかったりするので、その場合はこちらを参考にするといいかもしれません。
もう一つの数字は、各商品カタログ内の数字です。
今回シミュレーションの対象になっているNP-45MD9Wでは年間24,200円の節約となっております。
カタログ内にのっているものの中でも上位の節約金額です。
運転モードや使い方によっても節約できる手段はあるようなので、商品によって使い方をマスターすることはとても重要なように思います。
食洗器による光熱費や水道代での節約金額は約2万円。
食洗器の耐用年数はビルトインの場合、10年程度
食洗器を導入しても10年以内に不具合や性能の低下などで交換のタイミングになる可能性が高いです。
機械には個体差もあるので、ものによってはもっと長く使える可能性もあります。
逆に言うとそれよりも早くダメになる可能性もあります。
2~3年がメーカーの保証期間になっていることが多く、過ぎると修理にお金がかかります。
どの設備もそうですが、寿命が10年だとしてもわりと早い段階でどこかしら修理やメンテナンスが必要になります。
有料でも保証延長する方が安いケースもあるかもしれません。
新築から運良く10年使えたらお得だけど、1年短ければ損になる可能性も。
ここまでの計算を整理してみます。
1つ答えが見えてきましたね。
メリットはないわけではないけど、ちょっとぎりぎりですね。
10年の耐用年数があるとは言えあくまでメーカー保証は基本的に2~3年です。
修理は必ずどこかのタイミングで必要になります。
そうなると結果が逆転する可能性もでてくるわけです。
借入時の金額でシミュレーションをしているので、自己資金で考えると5万円ほど余裕がでます。
自己資金で考えられる場合は7年ちょっと使えば導入コストを回収できる可能性が高いので、採用した方がいいと言えます。
うまく使うことができれば返済の負担も軽減できますが、食洗機の寿命次第で逆転する可能性もあります。
結論としては導入の目的は金銭面ではなく、その他のメリットに目を向けるべきかと思います。
金銭面でメリットが出たらラッキーぐらいに思ってください。
- 導入コストに対し節約能力が高い機器を10年間使えれば元が取れる可能性がある。
- 自己資金で購入する場合は元が取れる可能性大。
- 資金を借入で考えている方は、その他のメリットに目を向けるべし。
- 全部の機器がこの計算になるとは限らないので、検討商品ごとに確認する。
食洗機のコスト以外のメリット
食洗器にはコスト面以外にも魅力的なメリットがあります。
食器洗いの時短になる。
皆さんは1回の食器洗いにどれぐらいの時間をかけていますか?
一般的には手洗いの場合、20分程度かかるようです。
私は2人暮らしで10分ぐらいでした。
結構洗い方は雑な方だと思います。
食洗器を導入した場合、食器をセットして押すまでの時間で5分程度です。
実際に動いている時間はもっと長いですが、自動で動いてくれます。
1日2回の食器洗いだとすると、手洗い40分、食洗器10分です。
食洗器の導入で得られる時間的メリットは30分ということがわかりますね。
30分あれば一息つくこともできますし、他の家事を終わらせることもできそうですね。
積み重なれば1年で182時間つくることが可能です。
10年なら1825時間・・・私も1825時間ほしいです。
食洗機の導入で得られる時間的メリットは1日約30分。10年間使えたら1825時間つくれる。
きれい・清潔な高圧・高温による洗い
食洗器が出すお湯の温度は約60度です。
それに対し手洗いでのお湯の温度はだいたい40度。
食べ物の油などはだいたい50度以下で溶けるので、手洗いよりも食洗器の方が汚れを落としやすそうですね。
高温で洗い、触らずに乾かすため透明なガラス類はピッカピカになります。
さらに食器に向けて高圧でお湯を当て、食洗器ようの洗剤で汚れを落とすパワーもあります。
50度以上のお湯を高圧で行うため、除菌効果も期待できる・・・
なんかここまで聞くと悪いところなさそうですよね。笑
食洗機は高温高圧洗浄で手洗いよりもきれいに清潔にできる。
水・洗剤にふれる時間が減り、手荒れしにくくなる。
食器洗いのときに手荒れする要素になるのは「お湯を使っている」「洗剤に触れている」「保湿してない」などが上げられます。
お湯は毛穴が開いて油分がたくさん持ってかれるため手荒れしやすい状況になります。
ゴム手袋で触れないようにできていればいいのですが、作業しにくいので嫌いな人もいますよね。
食洗機を導入しても予洗いや水につけておくなどの必要はありますが、水や洗剤にふれる時間が減るため手荒れのリスクは少なくなります。
食器を洗う奥様、ご主人のことを思うと食洗器入れてあげたいなー・・・とはいつも思っていました。
食洗機の導入で手荒れリスクが少なくなる。
食洗機のデメリットや反対派の意見
いろいろな意見をリサーチしてみましたが、食洗器を導入したけど使わなくなった人、使ってみてのデメリット、そもそも反対派の人などいろいろありました。
でも深堀りして調べてみると、今の機器ではデメリットとは感じられないようなものもありますので、それぞれ解説していきます。
食洗機の動作音が気になる。
実際になる動作音はどれぐらいのものでしょうか。
大きさ | 具体例 |
50dB | 換気扇(1m)・エアコン室外機 |
40dB | 図書館・食洗機 |
30dB | ささやき声・郊外の深夜 |
図書館と同等レベルです。
50Hzと60Hzでも違いますし、商品によっても変わりますが、一般的にうるさいと思えるほどの音は出ません。
過去の商品よりも性能も良くなっており、運転音の心配はいらないのではないかと思います。
食洗機の運転音は図書館と同じぐらい。
掃除が必要。
食洗機は毎回、月1回、掃除する必要があります。
掃除箇所はどのメーカーもほとんど似た内容です。
洗い上がりが悪くなったり、ニオイの原因になることもありますので、忘れず取り組む必要がありそうです。
実際にどんな掃除が必要か見ていきましょう。
毎回掃除する部品:残さいフィルター
残さいフィルターは食器についた食べかすなどをキャッチするためのものです。
毎回の掃除を怠ってしまうと、フィルターに残ったものがまた食器に付着してしまったり、匂いの原因になります。
お手入れは食洗器の底にある残さいフィルターを取り外し、きれいにしてから戻すだけです。2分あれば終わるのではないでしょうか?
シンクや排水溝のお掃除と一緒にやってしまうのが良いかと思います。
月1回送時する部品:ノズル・その他庫内部品
ノズルは食洗器の底にあるお湯をだす部品です。
食器から落ちてくる油や残さいがつく可能性があるようで、月1回のお手入れが必要になります。
ノズルを取り外して水洗い、またはよく絞った布などで拭き、元に戻すというお手入れになります。
洗い上がりに影響するようなので、レンジフードなどの掃除と合わせてやってしまいたいですね。
掃除を怠るとニオイや仕上がりに影響が!毎日2分、月に5分掃除を習慣にする。
食洗器用洗剤が必要になる。
食洗器の洗剤は泡が出にくく、手で洗わない前提の成分になっています。
食洗器に手洗い用の洗剤を入れると泡の影響で異常や不具合の原因になります。
食洗器に手洗い用の洗剤は絶対に入れないようにしましょう。
手洗い用と、食洗器用とそれぞれ置く必要があるので、ストックや収納場所はしっかり考える必要がありそうですね。
余談ですが、食洗器用の洗剤には液・粉・タブレット状と様々な種類があるようです。
指定の場所に洗剤を入れる形になります。
指定の場所に落としそうになる私のようにおっちょこちょいな方はタブレット状の洗剤をオススメします。笑
食洗機用の洗剤は必ず必要。収納場所や使い方は要チェック!
予洗い・つけ置きはできればする。
予洗い・つけ置きをすることで、フィルターやノズルの汚れが減ったり、きれいに洗いやすくなります。
正しい方法は予洗い・つけ置きは必要なものになります。
でも忙しいときとかどうしてもできなかった場合は、そのままでも洗浄自体はできます。
それなりにきれいになるようです。
スーさんという方が予洗いなしで食洗機を動かした記事を書いてましたので、リンク貼らせてもらいます。わかりやすかったです!
予洗い・つけ置きはできるだけする。
食洗機非対応の食器がある。
食洗機による熱や洗剤の関係で利用できないものがあります。
採用する前にメーカーへの確認はしっかりしておきたいですね。
その上で、使っている食器やこれから新築で使おうとしているものは問題なく使えるのかを確認してみましょう。
容量に限界がある。
食洗機のサイズには大きなものも入る深型と、コンパクトだけど導入コストが抑えられる浅型があります。
サイズの違いは画像の通りです。
左側が深型、右側が浅型です。
入る食器の量、大きさなどが変わってきます。
家族人数にもよりますが、浅型だと鍋やフライパンなどの調理道具がはみ出る可能性が高いです。
2回に分けて回すのも面倒ですし、結局手洗いになるのも嫌ですよね。
コストは少し上がりますが、深型の方が入れやすいので絶対にいいと思います。
深型を選んで、容量不足を回避する。
いづれ交換が必要になる。
食洗機の耐用年数は約10年です。
個体差があるためもっと早くダメになる可能性も長く使える可能性もあります。
ここまでのメリットを見て、魅力を感じるようなら交換の必要性のデメリットは気にしなくていいと思います。
10年後には食洗機自体の性能も良くなっています。
自己資金で交換になれば、元が取れる可能性が高いです。
機器自体の寿命はつきものなので、節約できた金額を積み立てて食洗機交換費用を用意しておきましょう。
毎月2,000円貯金できればお釣りが返ってくると思いますよ。
機器の寿命は付き物。元は取れる可能性高いので積立で交換に備えるべし。
食洗機分の収納が減る。
食洗器はだいたい45cmです。
その分の収納がなくなる場合困ることはありそうですか?
食洗機の導入を決める前に確認してみましょう。
食洗機の取付可能位置はメーカーによって変わり、場所によっても収納の考え方は違ってきますよね。
候補はだいたい調理台スペース下、一部メーカーではシンク下です。
取り付けたい位置によって収納に対する考え方が変わると思います。
調理台下なら、よく使う細かい調理器具を収納すると思います。
シンク下なら、ボウルやまな板などでしょうか。
食洗機で洗ったものをそのままにしておけば解決するじゃん。
って若かりし頃は思ってましたが、衛生環境状良くありません。
食洗機は必ず利用後食器や器具類を取り出してしまうようにしてください。
ちなみに新築計画を進める前に断捨離やご自身が持っているものの確認はできていますか?
キッチンもそうですが、断捨離はお家の様々な収納で失敗しないために有効な方法です。
断捨離について書いてますので参考にしてみてください。
食洗機でなくなる収納を確認し困ることがあるか確認、ついでに断捨離もすべし。
まとめ
- 導入コストに対し節約能力が高い機器を10年間使えれば元が取れる可能性がある。
- 時間的メリットは1日30分ほど。10年なら1825時間も・・・。
- 手洗いよりもきれい、清潔、手荒れしにくいメリットがある。
- 動作音は図書館並み。
- 掃除は毎日2分、月5分ほどを習慣化する。
- 専用洗剤を必ず使う。タブレット状が入れやすい。
- 食洗機に使えないものに注意する。
- 食洗機は深型を選んで、容量不足を回避する。
- 交換のための積立を毎月2,000円ぐらいしておく。
- 食洗機でなくなる収納を確認し困ることがあるか確認、ついでに断捨離もすべし。
以上でした。
今回の記事を書いて改めて食洗器は合ったほうがいいなと感じました。
導入コストがネックな方は他の部分での見直しやコストダウンの方法をまとめた記事がありますので参考にしてください。
思いつく手段を詰め込みましたので、きっと役に立つと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
また別の記事でみなさんのお家づくりのお役に立てると嬉しいです。
それではまた!
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