LDKが狭いなぁ・・・
予算の問題あるから、坪数広げずに開放的にできないかしら?
この記事では坪数を広げずに開放的に見せる方法について解説していきます。
住宅営業を5年間経験して、よく言われた要望が「開放感がほしい。」でした。
特にLDKは広いほうがいいですよね。
でも単純に間取りを大きくしてしまうと予算オーバーになってしまいます。
人間が広く感じるのってどんなとき、どんな場所でしょうか?
それを突き詰めていくと坪数をそのままに開放的に見せるヒント見えてきます。
ただ広いだけの空間は光熱費もかかるし、、、なんか面白くないです。(感情論。笑)
理想を自分サイズに詰め込んだ、素敵なお家のためのヒントをお送りできればと思います。
それではいきましょう!
「狭い」を「開放的」に見せる間取りのヒント
方法は1つではありません。
今回は手法別に解説していきたいと思います。
ほとんどは視線が抜けることで感じる開放感で、具体的な方法はたくさんあります。
間取りや立地、要望によって取り入れられるものが変わります。
自分に当てはめて考えてみてください。
狭い空間でも開放的に感じる視線が抜ける間取り
窓を大きくとる。
窓を大きくとることで開放感を感じることができます。
窓から視線が抜けることで、家の外にも空間がつながっているような感覚になります。
また日差しで空間が明るくなることでも開放感を感じます。
冬場も日差しで温かい空間になっていいですね。
注意点としては、近隣からの視線やプライバシーがしっかり確保できるかです。
角地の場合、道路近くに窓がついてしまうと通る度に覗かれる不安があると思います。
田舎だとおじいちゃんとか除いてきそうですね。
ウッドデッキやタイルデッキなど外部につながる空間がある場合は、窓の設置位置を床近くにするとよいです。
室内の床から、外部のデッキへのつながりを視覚的に生み出せます。
もし外部にそのような計画がある場合はぜひ採用してみてください。
高窓をつける。
プライバシーや内部のレイアウトの関係で大きな窓をつけれない場合は、高い位置に窓をつけてみてください。
このような研究の結果があります。
(1)窓の高さ
窓の位置・大きさと入射光の違いが空間性イメージに与える影響ー住宅の居室における小規模窓と対象とした模型スライド評価実験ー 小泉・北村・森田 3.2.3操作要素ごとのまとめより引用
視線の高さとの関係が空間性イメージを大きく左右していた。天窓、高窓といった視線より上にある窓は、上への方向性 、開放性 、止面性に関して有効であった。また視線より低い位置にあ る地窓は、閉鎖の要因になる一方で、空間の安定感、まとまりを与えるのに有効であった。
窓の位置が高い方が、開放的に感じる可能性があるということですね。
逆に床に近い地窓は別の意図で使うほうが効果的に活用できそうです。
高窓が使える具体例はこんなものがあります。
高窓の注意点としては、お手入れや開け締めのしにくさにあります。
基本的には開けしめのできないFIX窓をオススメしますが、高低差のある場所は換気としても活用しやすいです。
日常生活で利用するのに問題がないか、どれぐらいの頻度で利用するかしっかりイメージしたいですね。
仕切りを減らす。
仕切り(壁や扉)を減らすことで開放的に見せることができます。
室内で最大限視線を抜くことができるため広く感じます。
例えばこんな方法があります。
まとめることで間取り自体を縮小できる可能性もあります。
来客時に見られたら困るものをまとめるとか、用途が似たものをまとめるとか、各部屋の用途を少し整理してみると意外とまとめられます。
狭小住宅では洗面脱衣とトイレが一緒になってたりしますよね。
あれも仕切りを無くして1つの空間にしてしまうってことです。
頭を柔らかくして考えてみましょう。
隠すとこだけ隠して、壁のどこかを抜く。
見られたくないものだけ隠し、壁を抜くことで開放感が増します。
床から天井まで壁があるときと比べ、抜ける視線は長くなります。
開放感以外にも音と光を通すメリットがあります。
別空間でも家族の気配を感じられ、暗さがなくなるので良い雰囲気になりそうです。
注意点はつながる空間が大きすぎると換気の問題が出てくる可能性があります。
各部屋がしっかり換気がされるよう計画をお願いするようにしましょう。
壁以外で仕切る。
仕切る方法は壁だけではありません。
どうしても空間として分かれている必要がある場合は、より開放的に見えるものや融通が効くものを選んでいただくと良いです。
ガラス
FIXの室内窓や、リビングの扉などどこかにガラスが入ることで開放的に感じます。
よく使われるのは書斎や玄関ホールなどです。
ガラスの素材もただ透明なだけでなく、水回りに使われるような「型ガラス」、会議室のようなイメージになる「フロストガラス」などぼやけるタイプのガラスがあります。
扉の場合は既製品で十分バリエーションがありますが、はめ込む場合は加工などの手間賃がかかるかもしれません。
それでもただ壁があるよりも開放的に感じていただけるかと思います。
デメリットは・・・割れたり、汚れたりがめんどくさそうですね。汗
ロールスクリーン
どうしても用途的に仕切る必要がある場合はロールスクリーンで仕切ることで融通が効きます。
普段は開けて開放的に、使う場合は閉めて視線を防ぐ、シーンによって使い分けられ便利です。
よく使われる場所はリビング横の客間や書斎スペースなどが上げられます。
客間でリビングからの音の問題を指摘されることが多いのですが、扉と聞こえる音はそんなに変わりません。
防音の扉を使うのであれば差は大きいですが、、、。
扉よりも安価なので、コスト的にも採用したいアイデアの1つです。
ルーバー・柱
棒状の部材を何個も並べて、開放的に仕切るという方法です。
私はデザイン性が高くとても好きです。
が、コストがかかるためここではあまりオススメできません。
特にルーバーの場合、必要な本数が多いため金額がちょっと心配です。
予算がある方はホコリの乗らない縦型ルーバーがおすすめです。
柱は構造上必要な柱をうまく活用できればベストです。
そこにデザインの柱を組み合わせて本数節約できます。
家具
仕切りたい場所に必要な高さの家具を置いて仕切る方法です。
仕切る役割と、家具としての役割でとてもコスパの良いアイデアですね。
家具なのでデザイン性があるものや、機能的なものまで様々なもので考えることができます。
仕切りとして活用できるものは限られると思います。
裏も表も仕上げがしっかりされている関係で金額が高い可能性もあります。
置くのにふさわしい家具を見つけるのは難しいかもしれませんが、お気に入りのものが見つかれば家具で仕切る間取りを考えてもいいかもしれませんね。
見せる収納
収納のとり方次第で圧迫感を減らすことが可能です。
自分が好きなものを表に出すことで、より気に入る空間に仕上げられると思います。
見せるタイプの収納にはこんなメリットがあります。
ただ難しいのは見せるセンスです。
無計画にやってしまうとただモノが出ているだけになる可能性があります。
あと日が当たる場合は日焼けの可能性もあります。
ここに上げるもの以外にもいろんな手段がありますので適したモノを適した場所に置く方法を考えてみてください。
オープンクローゼット
ここでのクローゼットは中にしまう衣類、玄関にしまう靴や自転車なんでもいいです。
オープンクローゼットとは字の通り、隠さない収納です。
取り入れられる事例としては…
キッチンまわりの食器棚
キッチンまわりで使う食器類や調味料などを見せれるものに変えるのはいかがでしょうか?
イメージはオシャレな飲食店の厨房やオープンな喫茶店などです。
あまり隠さずに置いてあるようなデザインがあると思います。
通常だと食器類などを扉で隠して、収納量を補うために背の高いキャビネットにすることが多いです。
扉と背の高いキャビネットが圧迫感を出しますので、私のオススメは食器棚をローカウンター型のものだけにする方法です。
収納が下だけなので取り出しやすく、圧迫感がありません。
収納量に不安を感じる方はよい機会ですので普段使わないものを手放すことも考えてみてください。
一般の方でしたら十分収納量は足りるかと思います。
壁付けキッチン・ペニンシュラキッチン・アイランドキッチン
キッチンの設置方法にも種類があります。
視線が抜けやすいキッチンの設置方法を選ぶことで開放的に見せることが可能です。
それぞれ見た目の好みもありますが、コストや開放感を考えると壁付けキッチンがいいです。
オープンキッチンにするだけで差額30万円以上はでると思います。
個人的にはその費用を食洗機やダイニングテーブルにかけたいところです・・・。
広く見せたい場所に階段を設ける
階段の登り始め部分は開放的にできる要素の1つです。
開放的にしたい場所に階段を置くことで、開放的に見せやすくなります。
そのときのポイントとしては、オープンタイプの手すりにすることです。
アイアンや木製、壁をくり抜くなど様々な方法があります。
その手すりで空間にアクセントを加えることもできます。
お子様がリビング通るようにしたい、できるだけ人の出入りを少なくしたいなど、要望によって設置位置も変わると思います。
理想とバランスを取りながら設置位置を検討してみてください。
階段下スペースの有効活用
階段下をオープンにすることで開放的に見せることができます。
ただ開けるだけではなく、そこを作業スペースや見せる収納にすることで、意味を加えることができます。
階段の作りの種類でスケルトン階段と呼ばれるものを採用することもできます。
窓の前に設置することで、採光を遮らない間取りを作ることもが可能です。
通常の階段よりもコストはかかりますが、デザイン性、あとは間取りの自由度は高くなります。
行き詰まったときのアイデアとして覚えておいていいかもしれません。
また、こういったスペースの有効活用で私のマイブームが「ヌック」です。
聞き慣れないかもしれませんが、隠れ家チックな書斎だと思ってください。
SNSでも評判が良く、お家のインパクトにもなるので、ぜひ検討してみてください。
そして完成したら私にも見せてください。笑
背が低い家具の採用
家具の背が低いものを採用することで、空間への圧迫感を減らします。
視線がより抜けることにもつながるので、有効な手段です。
壁に寄せて配置する家具も当てはまりますが、空間の真ん中に置くようなものは特に効果が高いです。
(でもダイニングは低くしたら使いにくくしたらだめですよ!)
あてはまるのはソファです。
背もたれが低いソファを選ぶことで、LDKの開放感は上がります。
ソファの種類としては、「ローバックソファ」と言うそうです。
ネットでも検索でオシャレなものがでてきますので、ぜひ探してみてください。
天井を高くする・床を下げる
天井を下げたり、床を下げたりすることで、天井までの高さをつくります。
工事費はかかりますが物理的に空間が大きくなりますので、開放感は間違いなく演出できます。
リビングだけ床を下げる「ピットリビング」が有名ですね。
一部天井を高くするのは「折り上げ天井」といいいます。
部分的に高さを変えることで開放的になる以外にアクセント的に空間に変化をつけられます。
ポイントは「全体的に」上げるより、「部分的に」適した場所の高さを上げることです。
全体的に上げた場合、変化がなく天井を上げた感じがしないかもしれません。
部分的に適した場所の天井を上げることでメリハリがつき、視覚効果で広く感じる可能性が高いです。
聞き慣れない言葉も多かったと思うのでSNSなどで検索していろんな事例をみてくださいね。
スキップフロア
スキップフロアは階と階の間にあるフロアのことです。
階と階の連続性で開放感を感じられます。
フロアの下も収納として活用することも可能です。
狭小住宅ではうまくスキップフロアを取り入れ、空間を無駄なくかつ開放的にしています。
デメリットは段差による使い勝手の悪さ、コストです。
段差で使い勝手が悪くなる可能性があるので、採用の際は家事動線などは避けて計画するのが望ましいと思います。
あとはコストもかかるため、スキップフロアを入れることで坪数が大きくなってしまうなら避けたほうが無難でしょう。
スキップフロアのある間取りの設計は比較的難しいです。
設計者の経験も試されるかもしれませんね。
吹抜け
吹き抜けは床(天井)を無くして上下階をつなげたものです。
開放的にしたい場合にまっさきに思いつく方法ですね。
1階から2階に視線が抜けるため開放感を強く感じます。
また2階からの日差しを1階に当てるためにも使われます。
「坪数を広げずに」という点で、手段としてはオススメしません。
広さのゆとりがないとできないからです。
もし取り入れるとしたら、階段と一緒にまとめることで効率良く取り入れられます。
階段も吹き抜けみたいなもんです(雑)
別々にある場合、吹き抜けに十分な広さがないと開放感を感じられません。
まとめて必要な広さを抑えましょう。
開放的に見せるための位置や必要な大きさは、広く感じさせたい場所から視線が抜けるようになれば大丈夫です。
要望や環境に応じて変わると思うので、コストと合わせて検討してみてください。
狭い間取りでも開放感を感じるカラーコーディネート
色には後退色と呼ばれるものがあり、同じ距離の面でも採用する色によって感じる広さが違います。
後退色を使うことで、奥行きがあるように感じるんですね。
基本は壁紙や巾木、窓台といった部材を白で統一いただくことが1番です。
色には他にも暖かく感じる色や、睡眠に適した色などがあります。
お金をかけずにそんな効果が得られるなんて、人間の体って素敵ですね。
よければ色についての記事を書きましたのでご覧ください。
狭い間取りから物理的にゆとりを作る
開放的に感じなくてもいい場所の広さを開放的にしたい空間にまわします。
要望によって変わりますが、削るのは廊下であることが多いです。
他にも削るだけではなく、間取りにある要素同士を一つに必要な広さを減らすこともできます。
廊下と書斎、廊下とサンルームなど・・・使い勝手が良くなる可能性もあります。
現状の間取りを眺めて一緒にできるものを検討してみてください。
理想を壊さず坪数を減らす方法について記事を書いてみましたので、参考までに見てみてください。
間取りを狭くする以外で予算の余裕を作る方法
もし予算の問題で坪数を大きくできない場合は他の予算を見直すことも検討してみてください。
建物以外は土地・諸費用などありますので一つ一つ見直してみましょう。
はっきりわからない金額項目があるなら、このタイミングで具体的にしていくのもありです。
他の項目で想定よりもお金が掛かったら元も子もありません。
早めに住むまでにかかる全部の費用を明確にすることをお勧めします。
もしコストダウンをするならこちらの記事を参考にしてください。
自分が考えられるコストダウン全部を詰め込みました。
間取りが狭いを解決する方法 まとめ
限られた広さの中で開放感を演出する方法はいくつかあります。
建物の広さには限度があります。
物理的に大きくしても理想のお家になるとは限りません。
いま無理せずにできる自分サイズでできることをぜひ確かめてみてください。
みなさんのお家づくりのお役に立てれば嬉しいです。
それではまた!
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