【色で得する?】コスパ◎の新築カラーコーディネート

建て方

これから色を決めていかなきゃいけない…

なにを選べばいいんだろう?

この記事ではコストパフォーマンスが良い新築でのカラーコーディネートについて解説していきます。

この記事の内容
  • 暖かく感じるコーディネート
  • 広く感じるコーディネート
  • 睡眠の質を高めるコーディネート
  • きれいに見えるコーディネート
  • 色決めで迷ったときのツールやルール

私が勤めていた会社では、コーディネートの打ち合わせまで営業が行なっていました。
少ない予算の中でお客様が納得いくデザインに仕上げていく経験を何度かさせていただきました。

注文住宅の場合、目の前にそれぞれの実物をサンプルで確認できます。
でも、実際に施工されたときの色の組み合わせはCG上でしか確認できません。
CGってそこまで参考にならないんですよね・・・サンプルも小さいし・・・。

色決めは、好き、嫌いの世界に近いです。
コーディネーターの方も実績の少ない方だと、お客様任せになってしまいます。
そこで、カラーコーディネートが本来持つ効果・力などを知っていただき決定するための材料を皆様にお伝えできればと思います。

それではいきましょう!

新築で得するカラーコーディネートとは?

カラーコーディネートには見たものに何かしらの効果を与えることができます。
たかが色、と思われるかもしれません。
でも、カラーコーディネートには視覚効果というものがあります。
例えば、ファッションで細く見えるコーディネートがあるのも、色や柄の力です。

同様に住宅におけるコーディネートにおいても、視覚効果を活用することができます。
私の経験からお伝えできる視覚効果は以下の通りです。

  • 暖かく・涼しく感じるコーディネート
  • 広く・狭く感じるコーディネート
  • 睡眠の質をよくするコーディネート
  • 汚れ・傷がわかりにくくなるコーディネート

ではそれぞれどんな色をを選んでいけばよいか見ていきましょう。

暖かく・涼しく感じるコーディネート

色には暖かさや寒さなどの影響を与える色があります。
それらは暖色・寒色・中性色という形で分類できます。

温度に関する色の種類
  • 暖色:暖かさを感じさせる色(赤〜黄)
  • 寒色:冷たさを感じさせる(青緑〜青)
  • 中性色:暖色と寒色どちらにも当てはまらない(紫・黄緑〜緑)

実際に暖色・寒色による効果についての研究がいくつもあります。
見える色によって体感温度、実際に皮膚温にも影響がでることがわかっています。

体感温度はブルーは0.95℃低く感じレッドは0.85℃高く感じる結果がでています。
暖房や冷房の温度を1℃調整できる可能性があるのは、光熱費にとってありがたい情報ですね。

赤色に対しては、皮膚温の反応は、色紙を見た直後に、足と手に温度の上昇する傾向が観察され、特に足指において、色紙を見る前に比べて著しく上昇した(p<0.01)。

色の視覚刺激による、脳波及び皮膚温などの生理機能に及ぼす影響について 沈・刀襧・朝山 5.結論 より引用

Fig.9に被験者の平均体感温度を示す。色環境B, G,Ye, Rの順番で冷感から暖感へ体感温度が推移することが確認でき,Bは-0.95°C,Rは+0.85°Cと実際の室温より体感温度が上下することが分かる。

音環境及び色環境の複合刺激が体感温度に及ぼす影響の評価 有光・岡崎・戸井 3.2 色環境による体感温度の評価 より引用
暖色・寒色・中性色の活用方法
  • 寒冷地の場合、暖色のオレンジを入れることで暖かさを感じる空間を演出する。
  • 温暖地の場合、寒色のブルーを入れることで夏場に涼しさを演出する。
  • 夏も冬もマイナスの影響がでないように、アクセントを使いたい場所は中性色を選ぶ。

春夏秋冬それぞれ快適な環境にするには、壁や天井などの面に色をつけてしまうと融通が効かなくなってしまいます。
融通が効く方法としてはカーテンやソファーカバーなどインテリアで対応していくのが1番よいかと思います。
季節ごとに暖色・寒色のカーテンやカバーなどを用意して、抵抗がなければクッションカバーに入れてインテリアとして置いておけば収納場所も必要ありません。

建物や暖房に頼らずに快適になる可能性があるので、新築問わずチャレンジしたい内容ですね。

広く・狭く感じるコーディネート

色には後退色・進出色と呼ばれるものがあります。
これらは自分たちが見て感じる距離感に影響を与える色のことです。

距離に影響を与える色の種類
  • 後退色:壁面が後退して見え、広く感じる。
  • 進出色:壁面が進出して見え、狭く感じる。

後退色を活用することで空間を広く見せることができます。
論文の中ではこのような結果が出ています。

進出の傾向は、色相については[5R>5Y>5G≒5P>5B]の順で、これらは大山らの実験結果と同様であった。明度については[低明度≒中明度>高明度]の順、彩度については[高彩度>中彩度]の順で効果がみられた。

対向壁が進出して感じられた場合の空間の容積感は小さく感じることが明快に示せた。

インテリア空間における色彩による壁面の進出・後退効果 佐藤仁人 5.まとめ より引用      

この佐藤さんの論文の結果から見ていくと1番広く見える色は、白です。
明度が高く、彩度が低いというのは、明るくて、色合いが薄いということです。
なので白が最も進出を感じない色になります。

後退色・進出色の活用方法
  • ベース色が白で、タイルや木目など柄が入ったクロスでアクセントをつけ開放感をだす。
  • 家具やカーテンはグレーや淡い緑などを採用し、派手な色相や彩度の強い色を避けることで、開放感を損ねない。

予算が決まっている中で最大限広く見せたいという場合には有効な方法です。
白は材料の価格として安く設定されていることも多いので、材料費も安くなる可能性もあるかもしれません。

ただし、白には汚れが目立ちやすいというデメリットもありますので、選択する際には汚れやすい場所かどうか判断した上で選びましょう。

睡眠によいカラーコーディネート

英国のホテル、Travelodgeというところで調査し睡眠によい色がわかったそうな・・・2000世帯も調べたそうです。(すごい)

  1. クリームイエロー

眠りを邪魔する色は1位紫、2位茶色、3位灰色というのが上がってくるそうです。
新築営業でコーディネートの打ち合わせをしていても茶色・グレーは選ばれるお客様がとても多かったです。
私自身も今回調べてとても勉強になりました・・・。

実際の使い方としては青・黄は季節が少々限定されますので、緑であれば1年通して使えると思います。

これらの色を布団や枕などに使っていただくのが1番取り入れやすいかと思います。
カバーでしたら青でも気軽に取り入れられますね。

汚れ・傷がわかりにくくなるコーディネート

掃除については色の感じ方というよりも、ただ傷・汚れが目立つ色・柄の問題です。
それぞれの部位で注意すべきものがピンポイントでありますのでストレートにお伝えしていきます。

掃除や維持管理を考慮したコーディネート
  • 色・柄が単調なものはごみ・傷などが目立ちやすい。(床・扉)
  • 黒は傷や埃、白は髪の毛やごみなどが目立ちやすい。(床)
  • フローリングなどはナチュラルで木目がしっかり入ったものが汚れ・傷が目立ちにくい。
  • 凹凸の少ない生地の薄いクロスは構造の継ぎ目がでてきやすい。厚手の織物調がベスト。

これらを気をつけた場合、ただ汚れが見えなくなるだけですが・・・。
汚れが見えてすぐ掃除できた方がいいという方はこのポイントは気にしない方がいいですね。笑

忙しい時の来客があったりすると、こういったコーディネートができていると気が楽です。
参考にしてみてください。

色決めで迷ったら

色が持つ力はおわかりいただけたかと思います。
それでも迷いますよね。

色決めで迷った場合はこれから解説することを試してみてください。

事例を見る

InstagramやPinterest、RoomClipなど画像がメインのSNSなどを活用しましょう。
膨大な数の事例がありますので、ときめくものをぜひ見つけてください。
YouTubeは動画でいくつもの事例を一気に見るには、時間がかかり過ぎてしまいます。

気になる写真を見つけたら、それがどんなテイストなのか特定してみましょう。
有名なものだと北欧テイストなのか、モダンテイストなのか・・・。
自分の好みがどのジャンルなのかわかるとより決めやすいです。
自分にあったテイストを診断することができるページがあります。
建材を扱うLIXILのページなので扉や床の色を参考にするにはうってつけです。

相談している建築会社さんだけでは事例数は比較的少ないかと思います。
ただ、実際に施工しているのでメーカーや品番などがすぐわかることがメリットです。

お気に入りの写真を見つけたら、担当者さんにも見てもらってください。
商品を特定したり、類似する商品を提案したりしてくれます。

色のルールを知る

ここでは一つ配色黄金比というのをご案内したいと思います。
配色黄金比は色の割合を【7:2.5:0.5】でバランスをとるというものです。

配色黄金比
  • 7(ベースカラー):壁・床・天井
    例)ホワイト、グレー、ベージュなど
  • 2.5(メインカラー):インテリアの主役、家具やカーペット
  • 0.5(アクセントカラー):オブジェやクッション、小物

この比率についてとてもわかりやすく解説したページがありますので貼らせてもらいます。

ここで言いたいことはなにも考えずに色を使いすぎることは危険ということです。
私が新築営業で大事にしていたことは、まさしくこの比率です。

ほむら流 配色黄金比
  • ベースカラー:壁・天井のクロス、巾木・窓台などの部材
    基本ホワイトになると思います。
  • メインカラー:床や扉、家具の本体
    フローリングの色が次に多い割合ですね。
  • アクセントカラー:家具の布地・カーテン
    ベースとメインで色を抑えたので、好きな色や色の効果を意識したものを選択できます。

場合によっては扉もベースカラーとしてご提案することがあります。
汚れが目立つデメリットもありますが、空間を広く感じやすくアクセントカラーがより際立ちます。

迷った際はこの配色黄金比に当てはめてカラーコーディネートをしてみてください。

家具のことを考える

建物本体の色味が迷って決められない場合は、欲しい家具についても考えてみてください。
わりとそこまで考えるのは骨が折れるかもしれません。
でも建物はシンプルに家具で色を入れるというのは、将来的にイメージチェンジする際に融通が効きますし、長く飽きないデザインになりやすいです。

家具もピンキリです。
高級な家具の良さもわかっているつもりですが、予算の限度があると思います。
ニトリやIKEAなどローコストで購入できる場所を検討してみてください。
同様に通販サイトでも価格を抑えて購入が可能です。
ここでは通販サイトをご案内させてもらいますので、覗いてイメージをつくってみてください。

ツールを使う

LIXIL インテリア内観コーディネート

実際の床や扉などの商品を当てはめ、組み合わせたときの相性を確かめることができます。
扉の取手まで細かく設定できるため新築のコーディネート提案時にも活用させてもらってました。
作成したプランは画像保存もできますので、決定したものなどを残していただくのにも活用できます。

シンコール 着せ替えシミュレーション

クロスやカーテン、床などさまざまな組み合わせをシミュレーションできます。
カーテンのイメージまでできるのはありがたいです。
最終的な色の組み合わせに限りなく近いものをイメージできると思うので、かなり役立ちます。

クロスやカーテンなどのコーディネートはイメージが大事です。
できてないものを決めていくのでとても難しいかもしれませんが、このようなツールを活用してイメージを固めていきましょう。

まとめ

お金をかけずにより良い空間にしていくことができます。
色の効果や組み合わせなどをうまく活用して、理想の空間に近づけていってくださいね。

みなさんのお家づくりのお役にたてれば嬉しいです。
それではまた。

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